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糖尿病の食事療法では、栄養バランスとエネルギー摂取量を適切に管理することが大切になります。
毎日の食事に適切な量のくるみを加えると、動脈硬化予防や2型糖尿病患者の血糖コントロールでも、良い影響が出てくるといわれています。
米国人を対象に行われた研究では、心筋梗塞などの危険性が低下し、動脈硬化が抑えられることが示されました。
この研究は、米国糖尿病学会の医学誌「Diabetes Care」の2010年2月号にて発表されました。
研究では、2型糖尿病の男女24人(中間年齢58歳、女性14人、男性10人)に参加してもらい、
無作為に2グループに分け、1つのグループはくるみを食べず、もう1つのグループには毎日、食事に1日56g(366kcal)のクルミを加えてもらいました。
8週間後に動脈硬化や心機能の状態を検査し比較。
血中脂質、HbA1C、空腹時血糖値、空腹時の血中インスリン値と血糖値からインスリン抵抗性を調べるHOMA-R、コレステロール値で判定しました。
また動脈硬化を調べるために、超音波エコーで動脈拡張をみて、FMD(血流依存性血管拡張反応)検査で血管の内皮機能を判定。
FMD検査結果は、くるみを食べなかったグループでは1.2±1.6にとどまりましたが、くるみを食べたグループでは2.2±1.7(P=0.04)だった!
くるみを食べたグループで、血管の内皮機能が改善したことが認められました。
また、LDL(悪玉)コレステロール値や総コレステロール値も、くるみを食べたグループではベースライン時から改善していて
LDLコレステロール値は7.7±10 mg/dL(同)、総コレステロール値は9.7±14.5 mg/dL(P<0.01)、それぞれ低下していました。
研究者らは「2型糖尿病患者が適量のくるみを摂取すると、動脈硬化が改善され、血管の拡張反応が改善し、心疾患の危険性を低下する可能性がある」と結論付けられました。
なお、これは米国人の研究結果であり、日本人では、食事の平均的な摂取エネルギー量は異なります。
食事内容や体質も違うので、ただちに比較はできないが、日本人にとっても参考になる研究結果といえます。